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人材育成

育児もキャリアも諦めない働き方(後編)

2022.11.30

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育児もキャリアも諦めない働き方を実践しているソニーセミコンダクタソリューショングループ(以降、SSSグループ)の管理職3名へのインタビュー後編。社内の制度、そして多くのチームメンバーや上司の助けをもらいながら、キャリアを重ねてきた3人。しなやかなキャリアを築く上で重要な、助けてもらうための周りの巻き込み方、そして、チームのメンバー一人ひとりのやる気を引き出す秘訣にせまりました。

「声を上げれば助けてもらえる」
挫折が成功体験に変わる企業文化

―― キャリアを重ねていく上で経験した挫折について教えてください。

喜多村

他社との協業プロジェクトでリーダーとして推進していたのですが、可能な限りの手を尽くしたにも関わらず、必要な成果を出すことができずプロジェクトが解散してしまったことがありました。前編でも触れましたが、この会社は声を上げると助けてくれます。当時も先行きが怪しくなってきたときから、上司はもちろん、他のチームや部署からのアドバイスをいただきました。結果として代替案を立案し、実行するなど、可能な限りのリカバリと、関係各所への説明を進めることで影響を最小限に収めることができたのは、とても良い経験であり、成功体験にもなりました。そして何より良かったのは、そのプロジェクトの評価がその後に引きずられることなく、次の機会を与えられたことです。次の機会をもらえるからこそ、成長できますし、いまのキャリアがあると思っています。

田畑

私も同じようにチャンスをいただいた経験があります。数年前に立ち上げた新しいスキームがあったのですが、自分たちの部署だけでは実現が難しいことが分かりました。そこで、さまざまな部署に協力をしてもらえるように相談したのですが、その時はうまくプロジェクトを進めることができず、自分の力不足を痛感しました。
その一方で、このプロジェクトに賛同してくれるメンバーもいました。当初想定していた部署ではありませんでしたが、賛同メンバーと自分たちでどのようにすればスキームを立ち上げることができるか検討・試作を繰り返し、最後は無事リリースさせることができました。
当初の想定通りにいかなくても、良いと思ったら継続検討させてくれた上司、関係者、そして会社に感謝しています

私も挫折しそうなときに、周りに助けてもらいました。育児休暇から復帰した後、台湾顧客向けの大型プロジェクトを任された時のことです。顧客側との交渉、社内提案のとりまとめ、パートナー会社さんとの連携など本当に忙しかった時期に長男が毎週のように風邪をひいて、保育園から電話がたびたびかかってきました。朝会社の入口までついたのに、そのまま家に戻ったこと、保育園のお迎えに間に合うように本厚木駅までダッシュしたことが何度もありました。
私は、困難な時期があっても、必ず終わりが来ると思っていますし、当時は、周りの人々に多くの助けと助言をいただきました。義理の親も応援に来ていただけましたし、社内の制度だけじゃなく、日本の病児保育などの支援制度のおかげで無事に乗り切ることができました。SSSそして日本は素晴らしい場所だと感じましたね。

喜多村

リモートワークが広がったいま、特に声をあげる必要性が増えたと感じますね。声をあげてくれると、確実に問題に気付くことができるので。

そうですね。顔を合わせるタイミングが減ったので、顔色を見て察するってことが難しいですね。

喜多村

声を上げやすくするために、私はOne on Oneの面談をやる中で、業務の話だけでなく、話しやすいように自分の話や困っていることを話しながら呼び水を向けるようにしています

私は全員とOne on Oneをやることを徹底しています。特に雑談をすることで声を上げやすくするように気を付けています。

田畑

全員とじっくり話すのは時間的に難しいので、私は週の中で何でも話せる時間を予め設けておいて、どんなことでも相談して欲しいってメンバーに伝えています。しかし、声をあげやすい人はどんどん相談に来るのですが、声をあげにくい性格の人は「自分のために申し訳ない」と思ってしまうようで、なかなかいい出せないみたいです。

全員同じようにやっていたら時間がいくらあっても足りないので、頻繁に話を聞いた方がいいメンバーと、割と平気なメンバーと、個別に時間と頻度を相談して設定していますよ

田畑

なるほど!それ、参考になります。

―― キャリアを重ねていくうえで、女性であることでメリット・デメリットは感じますか。

良い意味で男女に差はないと感じます。私自身もそうですが、個々の仕事ぶりや人柄を評価していると思います。男女差どころか国籍の差すら感じさせない、そんな企業の姿勢・評価制度は素晴らしいと感じています。

田畑

私は仕事中、自分が女性であることをあまり意識しないですし、男性・女性関係なくフラットに仕事をしたいと思っています。大事なのは性別よりもその人の資質ですし。とはいえ、女性としてライフステージごとに仕事の仕方など変わらざるを得ないことも経験しており、さらに会社の変化も色々と経験し今に繋がっていることから、変化が悪いことばかりではなく、新しい経験のきっかけにもなるという考えはあります。

喜多村

そうですね。これからの時代、「女性だから」はない方がよいと思いますが、実際、女性にしか起きない・起きにくい身体の問題、歴史的に求められてしまっている役割の差などもあります。以前はそこまで意識していませんでしたが、SSSでは女性比率は少ないがゆえに、最近、何かが決まる場に女性の意見が直接入ることは少ないことを再認識しています。そんなに頻度がある話ではありませんが、多くの女性に影響しそうだと思うことは10人分ぐらいの意識で伝えようとしています

一丸となって会社に貢献しながら一人ひとりが成長できるチームへ

―― 今後どのようなチームをつくっていきたいですか。

喜多村

いま、SSSの中でも働き方の多様化が進んでいます。在宅と出社をうまく使い分けて、働きやすさと私生活・仕事両方の充実度を上げられるような働き方をサポートしていきたいです。そうした上で、自分がやりたいことだけでなく、キャリアを考えたときに、やりたいことの選択肢に入っていなかったことも含めて、いろいろなことに前向きにチャレンジできるような支援も含めた環境と機会を与えられるチームにしたいと思っています。
また、SSSもどんどん進化しています。そうした中で、与えられた仕事だけでなく、自分たちがどのような貢献ができるのか前のめりで考え、行動できるようになっていきたいと思っています。

田畑

私が統括している課は、私が課長になるときにできた新しい課なので、いまは課の機能を定着させ存在意義を会社全体に明確に示すことが目標です。新しいことを作り上げるにはパワーが必要ですので、メンバー間のつながりを大切にし、みんなで目標を立て、目標達成を一緒に喜べるチームにしたいです。そのために、メンバーにはちゃんと声をあげるように伝えています。課題があるならみんなで共有して解決していくべきです。個人でこっそりやってもなかなか気づきませんし、成果も出にくいので、チームとして一丸となって活動していくことが重要だと思っています。またそれと同時に、個人の成長も望めるチームでありたいとも思っています。

私は課⻑職に求められるミッションは、⼤きく2つあると思っています。1つは、会社の⽅針を具体的な開発⽬標に落とし込み、実現していくこと。もう1つは、個性あふれる社員たちの成⻑を促しながら、新しいチャレンジをしていくことです。メンバーの強みを伸ばしチャンスを与え、弱みをチームでカバーできるように考えています。課長になって、私自身も強み弱みが分かるようになりました。メンバーの弱いところに対しては「私も同じようなところがあったから大丈夫」などとアドバイスしています。私はこの二つのミッションを両立しながら、笑顔の絶えないチームにしていきたいと思っています。

―― これからチャレンジしていきたいことはありますか。

喜多村

いま、SSSグループが次の飛躍に向けて動き始めていますが、そうなった未来を予想して、自分たちがどのように貢献していくか、何を準備しておくべきか議論を続けています。議論は継続しますが、その中から動きだす新たな活動は、自分にとっても組織にとっても多くのチャレンジ要素があるため、一歩一歩前に進めていきたいと思っています。

田畑

これまで私は「やってみたい」「やってみよう」の精神で仕事をしてきたところがあります。いまの役職に就いたのも上司に「やってみないか」と提案されたことがキッカケでした。「わたしでいいのですか」と感じながらも、「せっかく機会をいただいたのでやってみよう」という気持ちで今の役職をやっていますので、今後も自分に制限を設けず、いろいろなことに興味をもって自然体で取り組んでいきたいと思っています。そして、こうした仕事の仕方ができたのは、会社や周囲の方が見守ってくれていたおかげですので、今後は私もメンバーや関係者のそういう気持ちをサポートしていきたいと考えています。

私は社外転職1回、社内異動2回も経験したので、新しい環境や業務への適応力には自信があります。半導体業界は技術が日進月歩していると思いますので、現状に甘えず、会社とともに常に挑戦していきたいと思っています。自分のキャリアとしては、海外勤務の経験がないので、機会があればチャレンジしたいですね。
女性は子どもが小さい時期は大変ですが、またすぐに解放されます。苦しい時に諦めたらもったいないので、一人でも多くの女性がキャリアを諦めることがないようにサポートしていきたいです。

―― SSSを志望する方々へ、メッセージをお願いします。

喜多村

人に感動を、社会に豊かさをもたらすというSSSのミッションに共感し、それにかかわる仕事をしたいと思ってもらえる方と、ぜひ一緒に仕事がしたいと思っています。半導体と半導体を最大限活用したソリューションは、世界を動かす根幹の一部。これからのビジネスに不可欠で、今後もますます発展するビジネス領域です。技術の会社ではありますが、さまざまな仕事がありますので、かならず活躍できる場があると思っています。最初に配属された部署にこだわる必要もないですし、次々にチャレンジできる環境があります。男女を気にすることなく働きやすい職場ですので、女性エンジニアの方にも安心して応募していただきたいです。

田畑

個人的には仕事をする上で「女性エンジニア」とか「女性管理職」など「女性」を強調することはあまり好きではありません。もしかすると入社を希望されているかたにも同じ考えの人がいるかもしれないと思うのですが、会社も色々な視点で働き方を考えて、そのうちの一つとして「女性の働きやすさ」があり、実際にその環境でたくさんの素敵な女性が働いていることを知っていただけたらと思います。
働く環境はどんどんよくなっていますので、好奇心旺盛で一緒に目標に向かっていける方、お待ちしています

会社を選ぶときは、⻑期的に活躍できる会社かどうかで決めるといいと思います。私には7歳と11歳の⼦どもがおりますが、結婚、出産、育児などをしながら仕事をこなすのは正直、ハードです。SSSは、育児休暇を含む両⽴⽀援制度がしっかりしていて、主体的に育児に取り組んでいる男性社員や育児に理解ある上司も多いです。キャリアとライフの⻑期的なプランを基に、就職先・転職先を選ぶことをお勧めします。

まだまだ多いとはいえないSSSグループの女性管理職。しかし、今回のインタビューで、女性だからといって働きにくいわけではなく、個人の資質を見つめ、リスペクトし合う環境であり、性別に関係なくチャンスに溢れている環境であることが垣間見えました。そして何よりも、「困っている人を助ける」「失敗してもチャンスを与える」SSSグループが持つ企業文化が、働きやすい環境づくりに大きく寄与していることがうかがえました。子育てと仕事の両立という課題は簡単にクリアできるものではありませんが、SSSグループでは、制度の整備のみならず、社員の制度取得も進んでいます。それは女性に限ったことではなく、男性にも広がりつつあります。今回、3名のお話を受け、長く働きやすい企業へ、SSSグループは着実に前進していると感じることができました。

SSSグループは現在、一緒に働く仲間を募集中です。
是非、採用サイトもご覧ください。
https://www.sony-semicon.com/ja/jobs/index.html