解決提案
産業用イメージセンサー

消防活動における
SWIRイメージセンサーの利用

用途:消防活動

火災が発生した場合には、早期の発見と迅速な消火活動が重要です。
煙が大量に発生し、現場の状況を的確に把握することが困難な状況下では、ソニーのSWIRイメージセンサーが役立ちます。このセンサーは、SWIR光(短波長赤外光)で対象物を撮影することができます。SWIR光は煙の中でも視界を確保しやすくなるため、火災現場での状況の確認や消火活動を支援することが期待されます。また、火はSWIR光を放つため、その光を利用して山火事などの火元の発見にも有効です。
実際に撮影した映像を用いて、SWIRイメージセンサーをご紹介します。

煙による視界不良を解決

課題

火災では、建物内や廊下に大量の煙が充満するため、視界が遮られてしまい目の前が見えなくなります。このような状況下では、救助や消火活動に支障が生じます。

課題

ソリューション

SWIRイメージセンサーは、一般的な可視光のイメージセンサーに比べて、より長い波長の光を撮影することができます。長い波長の光は煙の微粒子による光の散乱の影響を受けにくく、透過性が高い特長があります。
そのため、可視光センサーでは視界が邪魔されてしまう煙が充満した建物の内部でも、SWIRイメージセンサーを使用することで煙の影響を抑え、対象物が見やすくなります。たとえば、消防士が火災現場で活動を行う際に、周囲の状況を的確に把握するのに役立ちます。

【撮影事例】

以下のテスト撮影は、可視光カメラ、NIR(近赤外)カメラ、SWIR(短波長赤外)カメラ、LWIR(長波長赤外)カメラを4台並べて、同時に撮影したものです。箱の中に入れた時計や金属の文字、パネルなどの被写体を、毛布を燃やして出た煙の中で撮影しています。被写体には、可視光から赤外線までの幅広い波長領域を含むハロゲンライトを照射しています。
SWIRカメラには、煙を透過しやすい長い波長の光をとらえるため、1550nmのバンドパスフィルターを装着しています。

【撮影結果】

可視光カメラでは煙によって被写体が完全に見えなくなります。
NIRカメラは、ある程度の煙を透過して被写体を観察できますが、煙の量が増えると視認性が低下します。
LWIRカメラは、発生する熱を検知するため、時計の針やパネルの素材の違いなど、被写体の詳細をとらえることはできません。さらに、熱を持った煙が移動すると、煙自身の熱の影響で、画像にゆらぎが生じ視認性が低下します。
一方SWIRカメラは、煙の影響による視認性の低下を最小限に抑えながら、素材の違いや凹凸などの被写体の細かい部分までとらえることができます。

このように、SWIRイメージセンサーは、火災時の煙による視界不良を軽減し、火災現場における状況確認に役立ちます。

森林火災の状況把握

課題

山火事などの大規模な森林火災が発生した場合、広範囲にわたる火災状況を効率よく把握し消火活動につなげるために、ドローンや消防防災ヘリコプターに搭載されたカメラが利用されます。しかし、一般的な可視光カメラを使う場合、煙が視界を遮ったり、周囲の草木が影響して火の広がりを見極めることが難しく、正確な火元を特定しづらい状況が想定されます。

課題

ソリューション

SWIRイメージセンサーは、火が発するSWIR光を撮影することができます。そのため可視光では周辺の色に紛れて実際に燃えているのかどうか分からないような炎も、はっきりと検知することができます。また、SWIR光は煙による光の散乱の影響を受けにくく、透過性が高いため、煙による視界悪化を抑制することが可能です。

【撮影事例】

下記の動画は山焼きの様子を可視光カメラとSWIRカメラで撮影したものです。SWIRカメラは1550nmのバンドパスフィルターとの組み合わせで撮影しています。火事の際、火元は非常に強いSWIR光を発しています。そのために発生するブルーミング(過剰な明るさによる画像のぼけや光のにじみ)を抑えるため、露光時間をコントールしてセンサーが受け取る光量を調整しています。

【撮影結果】

可視光のカメラでは、煙が視界を邪魔し、草木に紛れ、炎が見えづらいです。
SWIRカメラでは、煙の影響を抑制し、かつ小さな発火源や延焼の様子も詳細にとらえることが可能です。

このように、SWIRイメージセンサーは、ドローンなどによる森林火災の状況把握に活用できます。

SWIRイメージセンサーの活用にご興味のある方は、お気軽にこちらよりお問い合わせください。

SWIRとは

一般的に、波長が400~780nmの光を可視光、780nm~106nmの光を赤外線と呼びます。SWIRの波長帯域は900nm〜2500nmとされ、赤外線の中で最も可視光に近い波長帯です。SenSWIR技術搭載のイメージセンサーは、SWIR光だけでなく、可視光を含む400nm-1700nmの広帯域撮像が可能です。

SWIRの説明の図

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