理工系女性のさらなる活躍をめざして
~奈良女子大学にて「センサ工学」講座を実施~
2023.09.29
2023年10月から、国立大学法人奈良国立大学機構奈良女子大学(以下、奈良女子大学)工学部では、2年生を対象に「センサ工学」が開講され、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)の社員が講師として登壇します。これは、ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)と奈良女子大学が、ジェンダーバイアス解消とダイバーシティ推進をテーマとした多面的な活動を通じて次世代人材育成に取り組むための包括連携の一環として実施されます。
今回は、本取り組みの概要や講座の内容についてご紹介します。
女子大として初の工学部を新設し、リベラルアーツ型研究大学をめざす奈良女子大学と提携
2022年9月、ソニーと奈良女子大学は、理工系分野におけるジェンダーバイアスの解消とダイバーシティ推進をテーマとしたさまざまな活動を実施し、次世代人材育成に取り組むための包括連携に関する協定書を締結しました。*1
*1) プレスリリース:ソニーと奈良女子大学の包括連携について
昨今、科学技術立国をめざす日本において、女性研究者・技術者の数の少なさは大きな問題の一つとなっており、理工系の女性人材を育成・確保し、活躍の場を広げることは、国際社会で生き残るための課題となっています。
そのような中、奈良女子大学は2022年度、戦後初の学部新設であると同時に、女子大として初の工学部を設置。学生自身が自ら専門分野や研究テーマを選ぶ力をつけることを重視し、工学の基礎とリベラルアーツの教育を行い、幅広い教養に裏付けられた発想力でイノベーションを起こす女性リーダーの育成に取り組んでいます。
ソニーは、独自の取り組みとしても、女性の働きやすさに特化した制度作りや理系女性の積極採用などをグループ全体で行っていますが、採用段階の以前である教育の現場において、そもそも理工系を選択する女性が少ないという課題にも直面していました。
今回の提携により、同じ課題意識をもつ奈良女子大学と手を取り合い、互いの強みを生かすことで、理工系を選択する際に潜むさまざまなジェンダーバイアスや学生たちの不安を取り除き、エンジニアのキャリアに対する具体的なイメージや関心を広げ、相互理解を深めていくことをめざしています。
「センサ工学」講義にて、SSS社員が半導体産業やイメージセンサーに関する授業を実施
提携の一環として、新設された奈良女子大の工学部において、2023年10月から「センサ工学」という講義が全15回に渡って開講されます。奈良女子大学の客員教授であり、SSSのイメージング&センシングエッジコア技術部門に所属する住岡徹次のもとで、ゲストスピーカーとしてSSS社員25名、ソニー株式会社の社員2名が順に登壇します。センサ工学では、半導体産業とイメージセンサーの概要から始まり、イメージセンサーの設計と製造、産業・車載用途のセンシングなどの多岐に渡るセンサー、さらにモビリティやウェアラブルへの応用など、SSSグループの手がける製品・事業を中心に、半導体業界になじみのない学生にも基礎から理解できる内容となっています。
本講義を通じて、理工系女学生に半導体業界への興味・関心を持ってもらうきっかけや、エンジニアとしてのキャリアを考える機会を提供し、学生が多様な選択肢から自身のキャリアを切り拓いていくための一助になることをめざしていきます