INDUSTRIAL

イメージセンサー

市場優位性を確保し、事業戦略への大きな判断材料となる標準化が今後の企業の成長戦略のカギを握る

2022.03.18

テクノロジーでより豊かな社会をつくることを目標に、日々、研究開発し数々の製品を世に送り出しているソニーセミコンダクタソリューションズグループ(以降、SSSグループ)。しかし、よりよい社会づくりに貢献するためには、製品を開発するだけでなく、標準化という活動も必要だといいます。
標準化とは、多くの企業が同じ規格を用いることで互換性を高め市場を拡大するためのルールやツール基準という認識が一般的ですが、多くの企業が集まり、ルールや規格を決定する標準化活動には企業の事業戦略や経営戦略を左右する重要な情報のやりとりや駆け引きが行われているといいます。市場の優位性や事業戦略に直結する標準化活動。今回、異なるポジションで標準化活動を行っている3人の話から、企業の中からでは分かりにくい、活動の内容と難しさ、そして重要性が見えてきました。

小出 啓介

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
車載事業部

赤秀 美穂

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
イメージングシステム事業部

高橋 宏雄

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
第1研究部門

誰もが使いやすくなる一般化という側面と市場をコントロールする寡占化という側面を持つ標準化

―― 標準化とは、どのようなことをさすのでしょうか

小出:一般的に標準化というと、製品や技術を評価する、良いものと悪いものを区別する尺度として市場形成や差異化を行う手段、規制や基準の基礎となる性格があります。
最近では、意図をもって周囲に働きかけを行い、自社の技術が社会にとって役に立つという正当性をアピールし、自社に有利な事業環境を作り出す「非市場戦略」が重視されるようになり、市場を創造・拡大するための極めて重要な手段という側面が強くなっています。
さらに、「標準」は法規の基礎となり、法規の要求を満たすための具体手法を定める補完性を持ちます。世の中を良くするためにはルールが必要で、そのルールをつくるためには標準化という取り組みは非常に重要なのです。

―― 具体的にはどのような活動をされているのでしょうか

小出:私はモビリティ領域の標準化活動を行っていますが、自動車などのモビリティ製品は、社会、自然環境、経済活動、生命・財産に対する影響が大きいため、法規等による厳格なルールが定められており、法規に適合しないとそもそも市場投入できません。さらには「法規への適合」は前提としつつ「安全である」ことがとても重要です。この「安全」には、車や車に使われている部品、道路などの交通インフラや交通参加者、さらには地域の住人と、非常に広範囲の「協調」が必要です。私は「安全」を確保するためにどのようなルールを決めていく必要があるのか、その決めたルールに対して自社がどのような分野・技術で貢献できるかを見極め、事業戦略を立てて実行までもっていくことを担っています。

―― 交通ルールや車に求められる性能は世界の国・地域で違いがありますが、どのように対応しているのでしょうか

小出:まさにその部分はとても複雑です。アメリカでは、連邦政府が定めるルールの他に州単位のルールも存在します。日本と中国でも違います。理想は全体を網羅的に見ることですが、それは非常に難しく、どこが自社の事業との関連性が強いかを見極める力が必要です。そのためにも、一か所だけをピンポイントで見るのではなく、常にグローバルな視点で全体を俯瞰している必要があります。

高橋:私はスマートフォンなどのモバイル機器や自動車などのモビリティの通信に関する標準づくりを行っています。通信は受け手と送り手が同じ言語でなければ成り立たないため、標準化は絶対に必要なものです。通信分野では、イメージセンサーとプロセッサー間の通信の「言語」、「手順」、「電気信号」などの標準化を行っています。

―― 標準化とは昔からあった考え方なのでしょうか

高橋:標準化は紀元前2500年くらいのエジプトのピラミッドの時代からあったものです。一つのブロックの大きさを決めておかなければ、あれほど大きなものを正確につくりあげることはできません。エジプト時代から20世紀初頭までは国や政府が標準をつくっていましたが、自動車がつくられ始めた頃から、民生用で標準化が進められました。その後1980年代頃からは、標準化は企業の戦略、企業間競争のツールとして使わるようになりました。
PCの例を挙げると、CPUをつくっていた大手企業は、ノースブリッジとサウスブリッジというchipにつなぐための通信プロトコルを自社だけでつくっていては生産性が上がらないことに気づき、その通信技術をオープン化させました。その途端、そこにつなげるハードディスクやメモリなどで一気に価格競争が起きたのです。通信技術がオープン化され、誰でもつくれるようになったことで、製造現場は単価が安くつくれる地域へ移りました。その結果、周りの部品はどんどん安くなる一方で、CPUをつくっている企業は自社のCPUにつながる規格をつくっているので、すべてをコントロールでき、CPUの単価は高値を維持できるようにしたのです。このように通信のインターフェースの標準化というのは、企業戦略と密接に関わってくる部分で、端末に標準で搭載される通信に自社の技術を入れられるかどうかとはともて重要なのです。

小出:インターフェースのオープン化は、他の企業が参入しやすくなる一方で、コアな部分はクローズド(機密化)し、自社のコアな技術を守ることができるので、企業戦略として非常に重要な意味を持ちます。オープン化してその技術が標準化するというのは、一般化という意味もありつつ、一方では市場の寡占化という側面も持っています。

赤秀:私は高橋さんと同様に、イメージセンサーのインターフェースの標準化を行っています。分野としては産業機器向けになります。私の場合は、弊社で開発した高速インターフェースのSLVS-ECを標準化したいという業界の要望があり、日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)から標準化への参画を打診されました。
先ほども話にでましたが、インターフェースは広く採用されないと開発しても意味がありません。弊社の高速インターフェースを使っていただくためにも標準化はとても重要な活動だと考えています。一方で、今後の普及・発展のために、どこまでをオープンにし、どこまでをクローズするかという戦略も重要です。

参加しないと重要な情報は何も得られない右も左も分からず、手探りで始まった標準化活動

―― 標準化活動を始めたきっかけを教えてください

小出:弊社のモビリティへの活動はまだ10年程度です。標準化の部署はこの事業が立ち上がった時からあったものではなく、事業を進め、業界の作法や慣習を学ぶ中で、国際標準化活動への関与の必要性が高まり、2019年に組織として標準化活動を強化するために私の部署が立ち上がりました。
私自身は、それ以前にもPC本体に接続するインターフェースの標準化に関わっていました。元々はPCの設計を行っていたのですが、PC業界は規格を決めている巨大プラットフォーマーの発言力が強く、われわれが戦えるのは本当に狭い領域に限られていました。自分なりには「こういう製品をつくりたい」という想いはあるのですが、思うような製品を開発できない状況でしたから、非常に悔しい思いをしていました。
「この機能は良いもので、市場に求められている」と主張しても、それを証明する尺度がないと認めてもらえないんです。誰もが「うちの方が良い」っていえる状況ではダメで、良いものの尺度を明確にできるようにしなければならないことに気づかされました。

こうした経験から、もともと技術者ではありましたが、ルールをつくっていくという部分であれば、市場優位性を持っている巨大プラットフォーマーと同じ土俵で戦えるのではないか。対等な立場でやり取りをして、自社に市場優位性をもたらすことができるのではないか、と思い標準化活動を始めました。

―― 理系業務から文系的素養も必要な業務へ。ジョブチェンジはスムーズにできましたか

小出:自分たちがやりたいことを言語化し、業界のステークホルダーと交渉をするというプロセスは、エンジニア時代には経験していなかったことでしたので、艱難辛苦の連続でした。一方で、エンジニアだからこそ分かる部分も多くありますので、エンジニアと標準化活動というのは決して離れている業務だとは思っていません。高橋さんも赤秀さんも元はエンジニアでしたし。

高橋:私は入社以来、通信の技術開発を行っていました。最初はAIBOの体内通信を担当し、その後テレビの受信を担当しました。そこから半導体事業部にきてMIPI M-PHYという当時最新のインターフェースの開発リーダーになったのですが、このM-PHYの規格書がめちゃくちゃ難しいんです。全部英語なのですが、肝心なところは図版がなくて全部文書で説明されているので解釈が難しい。このままでは開発が進まないので誰かが聞きに行かなくてはいけないということになり、私が行くことになったのが最初です。
もちろん分からないことはメールで聞くシステムもありますが、メールで聞いても全然返事が来ません。これはあとで分かったのですが、「一見さんお断り」という暗黙のルールがあったのです。
標準化団体というのは完全にボランティアです。メンバーは本業もある中で新たな規格づくりを行っているわけで、規格づくりに貢献できない人には対応しないというのが常識です。メールの返信がきても、一言「〇〇ページを読め」って書いてあるだけ。こちらはそれが分からないから聞いてるのに、となるわけです。なので、標準化団体は中に入ってしまえばとても温かいのですが、はじめは戸惑うこともありました。そこで、SSSグループもちゃんと参加しなければならないということになり、私が標準化活動に参加することになりました。とはいえ、ヨーロッパ・アメリカ中心なのでリモート会議は夜の12時から。もちろん全部英語。技術は質問をしたら、また新たな質問が出てくるものなので文章での質問ではダメで、直接会って話す必要があるのです。リモート会議もしょっちゅう顔を出していないと、質問をしても「何年も前にそれはやった」っていわれてしまいます。それで最初は仕方なく参加するようになり、そのうちにメンバーとも仲良くなって、気が付けば会社としてMIPI Allianceから表彰されて、議長をやるまでになっていました。

赤秀:私も開発に携わっていたので、自分が標準化活動に参加するとは想像もしていませんでした。標準化活動の重要性は認識していましたが、それまで私の所属するイメージングシステム事業部としては標準化活動をしたことがない中で、JIIAから標準化活動への参画要請を受けました。そこで誰を派遣するかという話になり、当時SLVS-ECの担当をしていた私が参加するになりました。高橋さんは一つ一つ積み上げて議長になられていますが、私はSLVS-ECを標準化するために参加したのでいきなり議長でした。JIIAの規約など右も左も分からないままみんなを引っ張っていかなくてはならない上に、事業部も標準化の経験がないこともあり、活動自体を理解してもらえない状況でした。実際、標準化することでのリスクもあり、情報をオープンにすることでコンペティターに負けてしまうこともあり得ます。そういうネガティブな情報だけをとらえて、「標準化は要らないのではないか」という意見がある中で、標準化することで企業価値や技術的優位性が上がることを社内に理解してもらうことにかなりの労力を使いました。

―― 標準化は製品が完成してから行うものなのでしょうか

赤秀:ケース・バイ・ケースかと思います。私の場合は完成しているものを標準化に持っていくケースでした。こうした場合、ある程度固まった技術がある中で、社内でオープンにする箇所を決めて標準化に諮ります。

小出:最近は技術の流れが速いので、製品化したものを3年かけて標準化しようとすると、標準化されたときにはオールドファッションになっていて、誰も使わないということも考えられます。技術の標準化は先行優位ですので、自ら開発を進める中で、オープンとクローズドの部分を明確に切り分けて、製品化以前の段階から標準化を進めるケースも増えています。
とはいえ、標準化は自社だけでできるものではなく、参加企業みんなで決めるものです。当然、競合する会社からの意見もありますので、ある程度アジャイルできるようにしておくことが重要です。絶対に公開しないコアの部分を持ちながら、公開しても良い部分をどこまでオープンにするかというのが重要な戦術になります。

―― 標準化活動ではどのようなことに苦労しましたか

高橋:赤秀さんと同じように社内調整は苦労しました。モバイルは規格と技術開発が並行することが多く、刻々と状況が変わり、オープンできる範囲も変わっていきます。そうした中で、会議に規格を持っていっても、最初はプレゼンスがゼロなので他社がいろいろな対案を出してきます。社内ではもう自走しており、リリースのタイミングもあるので「私たちとしてはこれがベストだ」と主張するのですがMIPIのアライアンスメンバーは巨大企業が多く、私たちの意見は通りにくい状態でした。議長が理論上で考えた案を一言発すれば、みんな「そっちがいいね」となってしまうんです。で、会社に戻ると「何やってんだ」と怒られてしまう。

―― 受け入れてもらうための仲間づくりが大事なのでしょうか

高橋:そうですね。プロセッサーのベンダーとイメージセンサーのベンダーは、それぞれの立場があって意見が異なることが多いんです。イメージセンサーは軽くしたいのですが、プロセッサーはソフトウェアで後から追加できる部分が多いので、いろんな動作モードやオプション機能を使えるようにイメージセンサー側に処理をやらせたい。その一方で、付加価値のある差異化技術の部分は取り合いになるわけです。例えば、顔を認識する部分に関しては「そこはこっちでやるから」とくるわけです。彼らの差異化技術がイメージセンサー側に行ってしまうのは困るが、他の面倒な処理はイメージセンサー側に負担させたいと考えているのです。彼らは多数派工作がとても上手なので、対立するのではなく、早く仲間になって、貢献して、プレゼンスを上げていくしか策はありません。例えば、どこかの知らない企業からの質問にも積極的に答えて議長を助けてあげるとか、毎回会議には参加して意見を出すとか、会議の後は飲みに行ってスモールトークして仲良くなっていくとか。声だけ大きい人はいますが、この世界では通用しなくて、ちゃんと技術的に正しいことがいえて、この部分のプロフェッショナルであると認めてもらわなくてはいけないのです。また、特に長期的な貢献が大事で、その場限りみたいな人は絶対に認めてもらえません。逆に、一旦仲間として認めてもらえると、その個人の技術的貢献を高く評価し、賞を授与するといった雰囲気があります。

―― 議長になられてからの苦労はどのようなことがありますか

高橋:いろいろな人から多くの提案を受けるようになります。中には私たちがこれから出そうとしている提案と競合するものもあります。そうしたときに、SSSグループとしての自分とMIPIの議長の自分とのせめぎあいがあります。ただ、モビリティの分野では人の命に関わることなので、私は必ず安全性を優先して考えるようにしています。

小出:日本のモビリティ産業は長い歴史の上に成り立っており、多くの人が関与しています。そうした中にソニーが入ることで何ができるのか、というプレゼンスを示すことは大変なことでした。
また、社内の理解を得ることも重要で、「このような規格ができそうです」と報告しても、事業戦略を考える上では情報不足で、その規格の本質的な意義や価値、社会や業界の課題、経営的な影響まで深掘りした考察を行うことが重要です。そうした視点、考え方を身に着けることにもとても苦労しました。

―― 課題をどのように乗り越えてきたのでしょうか

高橋:仲間づくりも大事なのですが、もう一つ大事なのがWin-Winの関係をつくることです。テレビの標準化をやっていた時に、ソニーが一人勝ちをしてほとんどがソニーの特許になったことがありました。その結果、何が起こったかというと、みんながその規格をつかわなくなってしまったのです。つくるたびにライセンス料を払わなければならないので。理想は少しずつみんなの特許が入る状態。参加者の後ろには企業の技術者がいて、その後ろに知財がいて、その後ろに特許事務所があって、とてつもない時間と人が関わって技術を開発しているわけです。相手の立場を尊重し、折り合いをつけることも大切なのです。標準化は長期的な取り組みなので、全部勝とうとしないで、譲るところは譲って、絶対に譲れないところはギブアンドテイクで勝ち取っていく交渉力とセンスが必要です。
もう一つ苦労した点としては英語ですね。標準化は必須の方式はたいてい一つか二つくらいしか採用されませんから、その提案者以外は全員負けになります。そうすると議論の最後の方は言い合いの喧嘩みたいになって何をいっているのか分からない状況になります。それでも議長としてまとめなければならない。意見の交通整理をしつつ、自分の意見も織り交ぜつつ。それを英語でやるのは今でも難しいですね。

赤秀:私は社内調整が大変でした。会社の代表として会議に出席、発言していますが、会社の判断なしには答えられないこともあります。社内の関係者も多く、特に特許に対する会社のスタンスを決めるのにはものすごく時間がかかったため、関連する質問に対する回答ができない期間が長くなり、SLVS-ECを国際標準規格にする上での課題にもなってしまいました。マシンビジョン関連の会社は小さな会社が多く、会議の場にもCEOの方々が出席されていたりする中で、なぜ回答できないのか、また、なぜ時間がかかるのかがわかってもらえなかったのではと思います。そこで、JIIAの理事会メンバーにはていねいに事情を説明して理解を得て、他の協会との間のフォローに入っていただくこともありました。

小出:モビリティ業界において、無名の状態からある程度のプレゼンスを確保できたことは大きな成果だと思っています。やはり、地道な交渉・発言・貢献といったことでしか認められないので、皆さんと同じように一歩一歩課題を乗り越えてきたという印象です。

複雑性が増し、不確実性が高まっている時代だからこそ標準化は企業にとって大きな道しるべになる

―― 今後の取り組みについて教えてください

小出:国際社会の複雑性が増し、コロナ禍で世の中の不確実性が大幅に増しています。そうした中で、モビリティでは道路をデジタル化するとか、ゼロエミッションビークルにしないといけないといった話が本気で語られていて、世の中のパラダイムシフトが大きな規模で起きています。こうした状況下で寄り添えるものは、世の中を良くするために必要な秩序やルールだと思います。この秩序やルールを先入観なしに正しく理解することがとても大切で、正しい理解のためには外の世界に関与して、外の世界の立場からその内外を見ていかなければなりません。国際標準化の活動を含む業界活動はそうした意味で有効な手段だと考えています。私はモビリティ産業に関与している以上、やはり安心・安全な社会をつくりたいと思っていますので、自社ビジネスをうまく成長させながら、業界の標準化活動に一層の貢献をしていくつもりです。

高橋:私は正しいルールをつくっていきたいと思っています。有名な話では二層式洗濯機があります。2001年にシンガポールに日本の二層式洗濯機の輸入が差し止められる事件が発生しました。理由は国際標準に適合していないから。日本の製品はJIS規格には適合していましたが、国際標準は欧米の一層式洗濯機を前提としたIEC規格になっていたんです。ルールには強制力があるので、議長として正しく、そして上手にルールづくりをして、SSSグループにとっても不利にならないようにしていきたいと思っています。
また、ミクロな視点では、近年、イメージセンサーの付加価値はますます高まっていて、撮影した画像情報を簡単に加工できるようになっています。熊本の地震の時にはライオンが逃げた画像がSNSで出回り、多くの人が信じてしまいました。これからはカメラ情報のセキュリティが重要で、その画像が本当にその場で撮ったものであると証明できることが求められてきます。新たな標準化により、こうしたフェイク画像が出回らないようにしたいと思っています。

赤秀:標準化団体に入ってSSSグループに対する期待の高さを感ました。今後は純粋に技術の標準化を進め、また、国際規格推進委員会の副委員長として、マシンビジョン業界へも貢献したいと考えています。

―― これから挑戦していきたいことを教えてください

小出:交通事故の無い安全な社会というのは、モビリティ産業にかかわる人間としては永遠の課題であり、最重要なテーマです。この安全・安心な社会を実現するための推進役なり、その社会の実現のために自社の製品や技術が活かされるように、一層、社会課題起点で業界への働きかけや標準化を進めていきたいと考えています。
そのためにも同じ志を持つ仲間を増やし、国際標準化活動に積極的に寄与する体制を一層強化したいと思います。

高橋:私は便利で安全な世の中の実現に貢献していきたいと思います。たとえば、これまでの画像処理は人間の眼を基準にしていたのですが、機械が判断するのであれば、もっと早いレートでの画像処理が可能です。その実現には高速インターフェースが必要になってきますし、そうしたインターフェースの開発と標準化、イメージセンサーへの製品導入、さらに実車への導入支援もあわせてやっていきたいと考えています。

赤秀:マシンビジョンの世界では、高橋さんが話されているように、とにかくスピードが求められています。その高速化を実現させるためにSLVS-ECは有効な技術だと考えています。今後はSLVS-ECをMIPIと並べられるくらいに広く普及させ、顧客にとって使いやすいインターフェースとするために標準化活動を進めていきたいと思います。

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